相棒Season5・第16話(2007年2月7日放送)
「イエスタデイ」
ゲスト:林泰文 遊井亮子
脚本:輿水康弘 監督:和泉聖治
「相棒」としてはホッコリとした恋愛をラストに持ってくるのがとても珍しくて、
ゲストのカップルだけではなく
右京さんとたまきさん、薫ちゃんと美和子さんの仲良しさを微笑ましく演出していて私個人的には好きな回ですね。
昨日の記憶喪失と今日の現実を繋げた物語
3020万を銀行に運ぶ途中で2人組の強盗に襲われる事件がありました。
強盗に襲われた課長が2人組と証言し犯人の似顔絵を書いています。
ただ、犯人は2人組だけでど逃走の時には3人組だったの目撃証言がありました。
翌日、その会社に出社した狭間肇(林泰文)は事件のあった「昨日の記憶」がありませんでした。
当然疑われるわけで・・・。
いったん泳がされた狭間に特命係の2人が近づき彼の「昨日」を取り戻すために奔走します。
コインロッカーの鍵
ナイフ
俳句のチケット
口の中が切れていた
ビジネスカバンに付いた匂いのある染み
これが全くなんなのかわからな狭間の為にその日に行っていた行動を再現してみます。
するとあるレストランでウェイトレスさんにコーンポタージュをカバンにこぼされた事が判明。
レストランでは同年代の関西弁の男性と話していたと。
関西弁の友達は元同僚の「宇田川くん(北原雅紀)」だとわかり、たぶん近所に住んでいるだろうと、ワケあり物件を紹介してもらう役を仰せつかった亀山くん(笑)
訳ありだから「訳あり荘」正しい名前は「メゾン・ド・シャンゼリゼ」
「いいセンスですね~」の右京さんの一言が笑えます。
宇田川の部屋には
・3人分のコップ
・強盗で使ったマスク
・現金がみつかり
結局狭間くんも事件の片棒を担いだのだと捕まってしまいます。
程なくして宇田川くんも捕まりますが、彼の供述では元先輩の国分と2人でやったとのこと。狭間は宇田川が心配で後を着けてきたらみつかってしまい一緒に逃走に巻き込まれただけでした。
ですが、覚えのないロッカーキーでロッカーを開けると500万が入っていました。
国分を捕まえるため捜査一課が彼の部屋に行くと国分は腹部を刺され死亡していました。
そして狭間は自分の記憶が戻ったと、国分を殺したのは自分だと供述を始めます。
しかし国分は左利きの人に刺されている。狭間は右利き。
彼がそうまでして庇いたい人はただ1人。好意を寄せている川本康江(遊井亮子)
この時、嘘をついている狭間に珍しくドンッと机を叩き、その後「本当の事を話してくれませんか?」と穏やかな口調でいう右京さん。
川本さんは無理矢理国分と関係をもたれ、その時の事をビデオに撮られ脅されていたのです。
そのビデオを取り戻そうと国分の部屋に行ったのですが、その時は既に国分は死んでいたのです。
でも狭間は川本さんが国分を殺したと思って庇った訳なのですね。
もう1人の左利き
では、本当の犯人は誰なのか?
実は関係者の中にもう1人左利きの人がいたのです。
それは強盗犯の2人組に襲われて似顔絵を描いていた左手の人物「木下明夫」
木下は犯人像での証言でも大事な部分
「関西弁の2人組だった」ということも言わずにいたのです。
そして以前に国分・宇田川と社員旅行で仲良く写真に写っていたのです。
木下が手引きして国分と宇田川に現金を奪わせたのですが国分と金の分け前で揉めて殺してしまったのでした。
最初にこの襲われた課長が似顔絵を描いてるシーンが解決のキーになるとは、最初見たときは全く思いませんでした。
ほっこりとしたラストシーンを音楽も洒落てます
全てが解決したあと挟間くんも一緒に花の里でご飯を食べているのは珍しいですよね。
狭間のお人好しさにたまきさんも美和子も驚いていますが和気合い合いとした雰囲気がとても良い感じでした。
実はまだ「俳句のチケット」の謎が残っていましたがこれは川本さんから貰ったチケットだったのです。
中に入るのを躊躇って花の里の外で待っている川本さんの元へ無理矢理「狭間くん帰りたまえ」と促す薫ちゃん&美和子
俳句のチケットを川本さんから貰ったことを思い出して
「一番忘れちゃいけないことでした」
という挟間くんはぎこちないままですが川本さんをご飯に誘って2人で歩いていきます。
そして花の里では薫ちゃんと美和子さん、右京さんとたまきさんと2組のカップルも映し出され、相棒には珍しい恋愛部分でホッコリした終わり方だったと思います。
最後に右京さんの
「狭間さんにとって今日は忘れられない1日でしょう」のセリフが
1日忘れてしまった事により事件に巻き込まれた事とリンクしてとても心に響く言葉になったと思います。
林泰文さんと遊井亮子さんにもほっこり
2時間サスペンスとか、刑事ドラマとかそういうドラマでは比較的
犯人役だったり、
悪人だったり、
殺されちゃったり、
の役柄が多い印象の林泰文さんと遊井亮子さんですが
この作品では事件に巻き込まれたり、悲しい出来事があったりはしましたが
お互いを思っているのに言い出せない控えめで奥手な所とか
決して感情を高ぶらせることなく切ないながらも抑えた演技が珍しいと思ったし
何より最後はぎこちないながらも2人が寄り添って歩くシーンはとても素敵でこのお2人の役柄がとても心を温かくする作品にしてくれたのではないかと思いました。
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